TOP > FAQ一覧 > 領収書とレシートの違いは何ですか?
事業に関する支払いを経費(税務上の費用)として処理する場合、その出金を証明する必要があります。
その証明となる書類のひとつが、領収書やレシートです。
でも、お店で支払いをした時、領収書は「ください」と伝えないと発行してもらえませんが、レシートは何も言わずに貰えます。
どちらも記載されている内容は同じようなのに、何が違うのでしょうか?
まず、領収書は、販売者(お店)が、代金を受け取った証明として発行する書類です。
そのため、「いつ、だれに、何を売って、いくら支払ってもらった」が記載されます。
対してレシートは、売上明細です。
「単価○円で○個売るから、○円支払ってくれ」という書類なのです。
現金支払いの場合、受け取った金額とお釣りが記載されたりもします。
領収書との違いは、購入商品の明細が記載される事と、誰に売ったかという「宛名」が記載されない事です。
このように、領収書とレシートは、根本的には違う性質の書類ですが、税務的に違いはありません。
経費精算では、どちらも同じように扱えます。
また、発行する側から考えてみても、領収書・レシート共に印紙税の対象なので、違いはありません。
押印の有無も、税務的には全く関係ありません。
領収書がベストで、レシートは望ましくないとか、優先順位を付ける事は無意味です。
税務会計において、消費税には「仕入税額控除」という仕組みがあります。
仕入や経費で支払った消費税を、売上に含まれる消費税から控除する事が出来るのです。
仕入税額控除には要件があり、受領した請求書等(領収書やレシートも含む)には、以下事項が記載されている必要があります。
(1)書類の作成者の氏名または名称
(2)年月日
(3)取引の内容
(4)金額
(5)書類の交付を受ける者の氏名または名称
ここで、「3万円」という金額がポイントになります。
仕入税額控除を使う時、「3万円“未満”」の請求書等(領収書やレシート含む)には、保存義務がありません。
必須なのは、法的事項が記載された帳簿の保存のみです。
つまり、きちんとした帳簿が作成できれば良いので、領収書でもレシートでも、出金を証明する証拠があればOKです。
「3万円“以上”」は、要注意です。
上記(1)~(5)の要件を満たした書類の保存義務があります。
しかし、前述の通り、通常レシートには(5)の宛名が記載されません。
また、領収書であっても、宛名が抜けていたり、「上様」など正式な氏名・名称で無い場合は、要件を満たしません。
仕入税額控除の有無は、税務会計に大きく影響します。
3万円以上の買物をする時には、忘れずに領収書を発行してもらい、きちんと名前を書いてもらいましょう。