リース料とは、リース契約をした際に支払う費用です。
似たような勘定科目に「賃借料」がありますが、こちらは、レンタル契約をした時に使います。
どちらも何かを借りた時に支払う費用ですが、意味が全く違います。
リース契約とは、リース会社に希望する品物を購入してもらい、それを借りるという契約です。
機械やトラックなど、高価な機械設備が対象とされることが多く、商品を自由に選ぶことができ、新品を借りる事も可能です。
そのため、契約期間は中長期(年単位)に渡ります。
保守や修繕の義務は、「借主」にあります。
しかし、契約期間満了後の所有権は、リース会社に戻り、自分のものにはなりません。
引き続き利用したい場合は、再リース契約を結び、お金を払い続ける必要があります。
もし契約期間の途中で使わなくなったとしても、原則、途中解約ができない為、残額リース料相当の金額を支払います。
簡単に言うと、リース契約とは、“割賦購入とほぼ同じ”だが、“自分のものにはならない”契約です。
レンタル契約とは、性質が全く異なります。
リース契約は、確かに割賦購入と似ている面もあるのですが、大きな違いがあります。
例として、10年経った中古車(売値100万円)を使いたい場合を、考えてみましょう。
(以下、記載した金額はあくまでも説明用の参考値です。)
一般的にリース契約は、その資産を自分で購入する場合に比べ、支払い総額が2割程度大きくなると言われています。
つまり、100万円の中古車をリースで5年契約したとすると、年間24万円×5年、総額で120万円を支払うイメージです。
もし、一括払いで自力購入すれば、支払額は売値の100万円です。
リース契約をしただけで、20万円損してしまうでしょう。
しかし、一括払いは、資金力が無いと出来ません。
次に、割賦購入(分割払い)を選択した場合を考えましょう。
5年間(60回)の分割払いを選択し、手数料が20万円プラスになりました。
支払総額は120万円となり、リース契約と変わりません。
支払いの期間も、リース契約と同じ5年間です。
しかし、全てが同じではありません。
経費に計上できる金額に、大きな差が出ます。
中古車のように“資産”を購入すると、法律で定められた耐用年数にしたがって減価償却し、経費にします。
10年経った中古車の耐用年数は「2年」です。
法人の減価償却は一般的に定率法で計算されるので、この場合、1年で全額100万円を償却する(経費にする)ことが可能です。
対して、リース契約では、年間に支払うリース料の24万円しか経費に出来ません。
経費は、出来るだけ早く多くの金額を計上した方が節税になります。
つまり、短期間で償却できる方が、税制上、圧倒的に有利なのです。
実のところ、リースの会計処理は面倒で難しいので、リース料を設定する事で、別途処理出来るようにしておきたいというニーズもあります。
しかし、リース料は、単なる会計処理として使うだけの勘定科目ではありません。
経済的な合理性を判断する指標となる為、財務を経営にどう取り込むのかを考える時、いわゆるCFO的な議論に大いに役立ちます。
新しく事業を始める時など、手元にお金がなく、リースに助けられる事もあるでしょう。
しかし、リース契約は、会計的に見てデメリットが大きい事を忘れてはなりません。
税金や経済効率を考えて、リース料をどう捉えるか、どうしていくかが、経営のポイントになります。
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